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イチゴの生産量、販売額日本一を支える、さまざまなサポート体制

 イチゴの生産量、販売額日本一を誇るJAはが野。イチゴといえば二宮地区が有名だが、真岡市東部に位置する山前地区にあるJAはが野いちご部会の白滝佳人部会長のイチゴハウスを訪ねた。
 約556坪の広大なハウス内はイチゴの甘い香りに包まれていた。今季(2016-17年)最後の収穫期を迎えているという。白い花が咲き誇り、赤く色付いたイチゴのコントラストが美しい。栽培棚は高さ1.2メートルで、養液栽培だ。液肥の調合など高度な技術が必要とされるが、土耕栽培に比べて作業効率は格段によい。

 収穫されたイチゴは、JAはが野高機能物流センター(パッケージセンター)でイチゴを選別、包装して出荷される。施設は、真岡第一、真岡第二、市貝、二宮にある。パッケージセンターは、青果物の荷造り作業を生産者に代わって行い、生産者は、農作業の6割といわれる荷作り作業を省くことができる。これにより生産規模の拡大、農業定年の延長、新規就農者へのサポートなど数多くのメリットがある。また、常に市場での値段を調査し、安値の市場には出荷しない指導をするなど、作業の効率化のほかにも、さまざまな面でのJAはが野の職員のバックアップが高いイチゴ生産量と販売額を支えている。白滝部会長は「JAはが野の支援体制には感謝している。生産者と農協が信頼関係を築き、現状に満足することなく進化を続けることで、イチゴ日本一を続けることができた」と胸を張る。

自他共に認める営農指導生産者と一緒に原因究明も

 JAはが野では営農部門の充実を自他ともに認めている。部内には広域営農指導員と営農経済渉外員がそれぞれ8人おり、広域営農指導員は講習会の講師を務めるなど、より高度な栽培管理を指導する。営農経済渉外員は農家を個別に巡回し、携帯電話に連絡が入るとすぐに訪ねるシステムを構築している地域密着ぶり。作物は、イチゴをはじめメロン、ニラ、トマト、ナス、アスパラガスなど多岐にわたる。かつて一大産地だったコンニャクも残っていることに、地域の特性と歴史を感じる。

 ナシ・コンニャク・ブロッコリー・ナスを担当する羽石雄一さんは、営農経済渉外員になって2年目の職員だ。
 「今の段階で指導とはおこがましいですが、作物に病気が出たと連絡が入れば、ベテランの生産者の教えをこいながら、一緒に原因を追究しています。同じ作物でもほ場によって生育状況も異なり、農業の奥深さを知ることができて勉強になります」と話す。

 JAはが野は、イチゴ栽培が地元だけで栄えればという考えは持っていない。もっといえば、イチゴで日本中が笑顔に包まれてほしいとの壮大な思いもある。2011年の東日本大震災でその底力が遺憾なく発揮された。地元でも甚大な被害が起きたが、東北のイチゴの一大産地、宮城県のJAみやぎ亘理でイチゴの苗が壊滅的状態との知らせを受け、イチゴのポット苗7万3000本をいちご部会を通じて無償で提供し支援した。ここに、協同組合運動の精神が垣間見られる。

若手先輩職員が新人を指導し、お互いの成長を育む世話係

 JAはが野では基本の営農指導に力を入れながら、職場内でもさまざまな取組みを展開している。そのひとつが「世話係」という新入職員の人材育成制度だ。新人にとって最初の頃はさまざまな不安がつきものだが、この制度では新入職員1人に若手職員1人がマンツーマンで寄り添う世話係として任命される。世話係は、言葉づかいや電話のかけかたにはじまり、新人への適切なアドバイスや時には現場への同行、そして、時には失敗をした新入職員のフォローを行うこともある。この世話係は20〜30歳位までの先輩が担うが、年齢が近いだけに新入職員は悩みや不安も打ち明けやすく、不安でいっぱいの最初の1年間の大きな支えとなっている。そして、1年が過ぎると反省会が行われるが、その席上では新入職員から先輩への感謝の手紙が贈られ、お互いに涙する場面もあるという。そのような関係性を築ける「世話係」制度は、新入職員へのサポートにとどまらず、世話役となる先輩職員にとっても大きな成長の機会となることはいうまでもない。また、地域住民に対しては、農業・農協への理解促進にも努めており、若手職員と地元の小学生が協力して農業体験をする「未来ちゃんクラブ」を立ち上げ、年間を通じて食農教育を行っている。

 若手の人材育成に全力投球する黒崎宣芳組合長はそば打ち名人でも知られるが、この4月にはなんと新入職員19人と出席者100人分の手打ちそばを振る舞ったというから驚く。大胆かつ緻密な組合長のもと、JAはが野は地域農業の発展をめざして走り続けるだろう。