人と戦うのではなく 共感者を増やす

 「鉄筋工事業」のイメージとは裏腹に女性の元気な笑い声が響く「斎藤鉄筋工業」は、先代・斎藤光男さんが1979年に創業。土木・建築鉄筋工事の請負として鋭意努力し続けていたが病に倒れ、その後会社を受け継いだのが妻であり二代目の斎藤淑江社長だ。

 光男さんの介護をしながらの会社経営は20年間にも及んだという。「大変だったと思うでしょう? でも周りがサポートしてくれたので仕事を続けてこられたのです。主人も決してマイナス言葉を使わず、常に私を励ましてくれました」と笑顔を見せる淑江社長。光男さんの支えもあり、今まで通りみんなが安心して仕事ができる環境を整えようと奮起した淑江社長の経営は、男性のように猛然と道を切り開く方法とは違っていた。女性ならではの視点から「何か困っていることはありませんか?」とクライアントの悩みに親身に寄り添う。

 「良い仕事をすれば必ずリピートしてくれます。接待のお酒、ゴルフは断り、『こうしたら喜んでもらえるのではないか』という視点でお客様の要望に応えました」。男性と肩を並べるのではなく、サポート役に徹した結果、取引先も次第に応援してくれるように。淑江社長に追随し、今は亡き創業者の「良い技術力を提供しお客様が喜んでくれれば、自分たちにも返ってくる」という意思を受け継いだスタッフたちが一丸となって会社を支えている。